最近「海外FX」と検索すると、リスクを煽りまくって国内FXを神格化しているサイトが多く表示されている。
たしかに海外FX業者の中には、豪華なボーナスや魅力的な取引環境をエサに詐欺行為を働くところがあるのは事実だ。
しかし、あくまで「最悪のケース」なのに、あたかも「これが海外FX業者の通説です」というニュアンスで解説しているのは如何なものかと感じる。
本記事は昨今の「海外FXを根絶やしにしよう」という動きや主張について、管理人の意見をまとめたものである。
あくまで個人の経験や見解に基づいたものなので、その点をご了承いただいた上で読み進めていただければ幸いだ。
- ハイレバレッジの海外FXは日本の金融庁に無登録だから危ない
→管理人の反論をチェック - ボーナスは出金できないから、実は無益なもの
→管理人の反論をチェック - ボーナスを利用して発生した利益は出金できないことが多い
(現に出金トラブルや口座凍結が頻発している)
→管理人の反論をチェック - 追証なしのゼロカットシステムは建前でしかない
→管理人の反論をチェック - どれだけ注意して海外FX業者を選んでもトラブルは避けられない
→管理人の反論をチェック
本ページの記載事項一覧
【反論①】日本の金融庁の警告は「勧誘行為」に対するもの
- 金融庁に無登録だから
- 金融庁から警告書を出されているから
という理由で海外FXを一律で危険認定している方は兼ねてから多く見受けられる。
しかし、どちらも詐欺業者の十分条件ではあるが必要条件ではない。
金融庁に無登録であっても、警告書を発せられていても優良な海外FX業者は存在するのだ。
海外FX業者はあえて日本の金融庁に登録していない
まず前提として、海外FX業者は「詐欺業者だから日本の金融庁の認可を受けれない」というわけではない。
ハイレバレッジでの取引ができる環境を提供する以上、いくら優良な業者でも日本の金融庁には登録できないのだ。
ボーダーになるのは取引額の4%以上の証拠金を預託。
つまり最大レバレッジ25倍以下だ。
海外FX業者側も、日本人トレーダーがハイレバ目当てに海外FXブローカーを利用しているのを知っている。
これからもハイレバレッジを提供するために日本の金融庁には登録しないだろう。
海外FX業者は外国の金融機関でライセンス登録している
海外FX業者はあくまで日本の金融ライセンスに登録していないだけ。
外国の金融ライセンスを取得していることがほとんどだ。
海外FX業者名 | 保持している 金融ライセンス |
---|---|
![]() | ニュージーランドライセンス( FSPR) |
![]() | セーシェル金融庁ライセンス |
![]() | ベリーズライセンス( IFSC) |
![]() | ケイマン諸島ライセンス(CIMA) |
![]() | 英領バージン諸島の金融サービス委員会(BVIFSC) |
![]() | セントビンセント&グレナーディン証券取引委員会(SVG FSA) |
日本の金融庁に登録していないだけで、一括りに無登録業者のレッテルを貼るのは乱暴な気がする
→『海外FX業者は金融庁から警告を出されている=危険』なのか管理人が解説
日本語公式HPが勧誘行為に該当する可能性は薄い
金融庁は下記2つの理由で海外FX業者に警告書を発しているケースが多い。
- 日本の金融庁に無登録だから
- インターネットを通じて勧誘行為を行なっているから
1つ目の理由に関しては上述したので、ここでは省略する。
問題は2つ目の「勧誘行為」だが、これはひとえに金融庁の過大解釈だ。
おそらく金融庁は海外FX業者が日本語ホームページを用意していることを「勧誘行為」としている。
しかし海外FX業者の公式ホームページは、海外に居住している日本人向けに作成されたもの。
各業者のHPにも、但し書きで記載がある。
XMの場合
XMTradingはJFSA(日本金融庁)の監視下にないため、金融商品提供や金融サービスへの勧誘と考えられる業務には携わっておらず、本ウェブサイトは日本居住者を対象としたものではありません。
引用:https://www.xmtrading.com/jp/
TitanFXの場合
本Webサイト掲載の金融商品開示文書(PDS)を含め、全ての情報は、米国在住のお客様、およびFX取引やCFD 取引(両方またはどちらか)が国内法・規定により制限または禁止された地域に在住のお客様を対象としたものではございま せん。
iFOREXの場合
iFOREXは日本金融庁に登録のない、海外ブローカーで、本サイト・サービスは主に日本国在住者を対象としておりません。
このように『海外移住の日本人向けにつくられている』と言えばたしかにその用途はある。
正直子どもの言い訳のように思えるかもしれないが、この盾がある以上金融庁も法の下に海外業者を排斥することはできない。
だからこそ悪あがきとして、警告を発することで危険感を匂わし日本人トレーダーの利用を食い止めようとしているのだ。
警告されているからといって、過去に詐欺を働いていた業者だというわけではないので安心してほしい。
※なぜ金融庁は海外FXを目の敵にするのか
理由はシンプルで、日本人トレーダーが海外FX業者を利用することにデメリットがあるからだ。
- 海外業者を経由することで税金を取りこぼす恐れがある
- 海外のお金の動きを追うのには時間とコストがかかる
国内業者を利用して貰えば税金を徴収しやすいし、お金の流れを追いやすいので、海外業者への流出を食い止めるのに躍起になっている。
→海外FXは違法?「日本人が取引しても大丈夫なのか」管理人が解説
【反論②】ボーナスは出金できなくてもメリットがある
海外業者は顧客の登録を促すためのプロモーションとして、豪華なボーナスを提供していることが多い。
- 3000円〜2万円の口座開設ボーナス
- 入金額の50%〜100%の入金時ボーナス
これらのボーナス自体「見かけ倒し」だから、ボーナスにつられて口座開設するのは避けようと主張しているのだ。
たしかに海外FX業者が提供するボーナスは、取引の証拠金にのみ利用できるバーチャルマネーであることが多い。
稀にボーナス出金を認めている業者もあるが、出金条件は厳し目に設定されているのも事実だ。
(100万通貨取引すれば、やっと1000円出金できる、など)
しかし海外FXの証拠金ボーナスは、たとえ出金できなくてもトレーダーに大いなる恩恵があるのには変わらない。
エントリー可能な最大枚数が劇的に増える
入金ボーナスを受け取ればエントリーできる最大のポジションサイズを劇的に増やせる。
ハイレバレッジの海外FXではただでさえ大きなポジションでエントリーしやすいが、ボーナスをあわせるとさらにデカいポジションを建てられるのだ。
【例①】100%入金ボーナスで2万円入金した場合
レバレッジ500倍でドル円(100円/ドル)のポジションを建てるとすると…
口座残高:4万円(入金額2万円+ボーナス2万円)
→2000万円分のポジション(20万通貨/2lot)のポジションが建てられる。
※入金額は2万円なので実質利用しているレバレッジは1000倍
またボーナスがもらえるブローカーなら、最低限必要な証拠金も少額でOK。
100%入金ボーナスを受け取れば、目標のポジションを建てるために用意しないといけない証拠金は半分ですむ。
【例②】100%入金ボーナスがあるブローカーで50万通貨(5lot)持つのに必要な証拠金
ドル円100円だとすると50万通貨持つのに必要な証拠金は10万円
→ボーナスで証拠金が倍になれば実際の入金額は5万円でOK
口座の証拠金維持率に余裕ができる
ボーナスで有効な証拠金が増えれば、ボーナスなしの場合と比べて証拠金維持率に余裕が出る。
証拠金維持率は「口座の資産状況」を表す指標。
証拠金維持率が高いほど口座が安全で、以下の式で計算できる。
証拠金維持率(%)=有効証拠金÷必要証拠金×100
ボーナスで証拠金維持率を高く保てれば、強制ロスカットのリスクを軽減できる。
【ボーナスなしの業者】
レバレッジ500倍で10万通貨のドル円ポジションの必要証拠金
→2万円
証拠金維持率=口座残高(2万円)÷必要証拠金(2万円)×100=100%
→証拠金維持率100%でエントリー
→強制ロスカットまで耐えられる逆行pips:16pips
【入金ボーナス(100%)ありの業者】
レバレッジ500倍で10万通貨のドル円ポジションの必要証拠金
→2万円
証拠金維持率=口座残高(4万円)÷必要証拠金(2万円)×100=200%
→証拠金維持率200%でエントリー
→強制ロスカットまで耐えられる逆行pips:32pips
※同じ資金で同じ大きさのポジションを持つ時、強制ロスカットまで耐えられる値動きが倍になる。
海外FXのボーナスは、口座を安全な状態に保つのにも一役買っているのだ。
ボーナスが有効証拠金にカウントされない場合もあるので注意
ただ一部の海外FX業者では上記の通りではない。
ボーナスはエントリー時の証拠金として利用できるが、有効証拠金としては利用できない場合もあるのだ。
- FBS
- HFM(旧HotForex)
ボーナスを利用する際は、仕様について事前に確認しておくようにしよう。
【反論③】利益の出金を拒否するのは悪質な海外FX業者だけ
多いのは「証拠金としては使えるが、ボーナス部分の出金はできない」といった条件だ。証拠金として利用し、利益が出た部分は出金可能とうたっているわけだが、そんな場合だって安心できない。
出金拒否や口座凍結など、取引の利益や預けたお金を戻せなくなるトラブルが、海外FX業者では頻発しているからだ。
「取引約款に違反する取引を行なったから」、「禁止されているスキャルピングを行なったから」など、出金を拒む理由はさまざまだが、こうなってしまうと返金されるのは難しい。
このような書かれ方をすると「ボーナスを提供している海外FX業者は出金拒否が多い」という印象を抱いてしまうだろう。
(たしかに悪質な海外FX業者は存在するは事実なので、あくまで書き方の問題だ。)
しかし取引で生じた利益に関しては、利用する業者さえ間違えなければ出金できている事例の方がはるかに多い。
※業者名を押せば、出金拒否の真相を含めて管理人が業者の評判をまとめたページに移動する。
実際に管理人も上記の業者でボーナスを利用して取引した経験があるが、全て問題なく出金できている。
たしかに出金拒否・資金持ち逃げをゴールに据えている悪徳業者も存在するが、業者を絞ればこの限りではない。
禁止取引で稼いだ利益が出金拒否の対象になるのは事実
先ほど「出金できた事例の方が遥かに多い」と表現したのは、たとえ優良業者を利用したとしても出金拒否を回避できる可能性がゼロではないからだ。
実際に業者が定める禁止取引に手を染めたり、取引規約を違反してしまうと出金拒否される可能性がある。
【海外FX業者が定める禁止事項例(XMの場合)】
- 複数の口座を利用した両建て取引
- 他の海外FX業者の口座を利用した両建て取引
- グループ内での両建て取引
- 裁定取引(アービトラージ)と捉えられる取引
- ネットワーク障害や接続遅延を利用した取引
- ボーナスの二重受け取り
- スキャルピング・短期売買
(業者によってはOKのところもある)
しかしこのケースでは、取引ルールを守らないトレーダー側に落ち度がある。
ルールを守って真っ当に取引すれば問題ないことに変わりはない。
海外業者を利用する際は、事前に取引ルールや禁止取引を確認しておこう。
「この取引はどうなんだろう?」というのがあれば、事前に日本語サポートでも確認できる。
【反論④】追証なしのゼロカットシステムは建前
たしかに追証なしの約束を守らなかったり、ゼロカットに伴う損失補填が原因で経営破たんした海外FX業者は存在する。
- アルパリUK(※)
→追証なしに伴う損失補填が原因で経営破たん - FXDD
→スイスフランショックの際に約束を守らずに追証を請求
しかし実際にはゼロカットに基づいてマイナス残高を帳消しにしてくれた実績がある海外FX業者が存在するのも事実だ。
【XMのゼロカット対応例】

XM社スイスフランショックでのゼロカット対応
引用元: 重要なお知らせ – CHFに関する更新
他の海外FX業者もゼロカットの不執行で炎上したことはないので、
- そもそもロスカットでマイナス残高が発生する前に強制決済された
- ゼロカットを執行してトレーダーに追証を請求しなかった
どちらかの対応をとっている海外FX業者の方が数は多いと考えられる。
問題が起こったケースのみをクローズアップにして「ゼロカットは不完全」と主張するのはいかがなものだろうか。
※余談だが、ゼロカットが原因で経営破綻したアルパリUKは信託保全の下で顧客資金を全額返還している。
信託保全や分別管理を徹底している業者なら、仮に倒産してしまっても資金を持ち逃げすることはない。
【反論⑤】海外FX業者の選び方次第でトラブルのリスクは軽減できる
信用に足る業者かどうか、FX会社のクチコミ評価サイトで評判を調べ、ウェブサイトでどこの国で営業ライセンスを取得しているのか確認し、本当にライセンスを持っているのかを金融当局のウェブサイトで検索し、グーグルマップで所在地を確かめて――と、これだけの作業を重ねても、トラブルが多いのが海外FXの世界。
上記のような「どれだけ注意深く海外FX業者を選んでも、トラブルを避けられない」という記述はいささか大袈裟な気がする。
しかも具体的な業者名の記載がないので「本当に金融ライセンス登録済みで、住所もある優良業者がトラブルを起こしたのか」のもわからない。
「安全で信頼性が高い海外FX業者の見極め方4つのポイント。出金拒否業者に引っかかるな。」でも解説しているが、慎重に利用する業者を選べば詐欺業者に引っかかるリスクは限りなくゼロに近づく。
- 日本に限らず金融ライセンスを所持しているか
- FX事業者として運営歴は4年以上あるか
- 追証なしのゼロカットシステムを導入しているかどうか
- 世界的な掲示板サイト(ForexPeaceArmy)でSCAM認定されてないか
実際に管理人はこの4つのポイントを遵守して複数の海外業者で口座を開設しているが、悪質なトラブルに巻き込まれたことは一度もない。
海外業者が日本のFX市場に上陸してから、かれこれ10年以上が経つ。
- 出金拒否やストップ狩りなどの悪質行為を働く業者の傾向
- 計画倒産&資金持ち逃げのためにFXブローカー業務を営んでいる業者の傾向
今までの傾向を元に学習・判断すれば、トラブルに巻き込まれるリスクは軽減できることは身を持って証明できている。
海外FXにまとわりつく悪評についてコメントしてきたが、管理人のスタンスとしては別に海外FX業者の肩を持ちまくっているわけではない。
- スプレッドが国内FXより広い傾向にある
- 国内FXよりも詐欺業者が紛れている可能性が高い
- 突然利用できなくなる可能性がある
- 出金に手数料と時間がかかる
- 税制面では国内FXよりも不利になる
など、海外FXのデメリットは正直に受け入れているつもりだ。
(参考:海外FXの5つのメリットと4つのデメリット。国内FXと比較しながら徹底調査)
どうしても信頼性が不安でしかたない人、ハイレバに頼らなくてもガッツリ稼げるくらい資金力がある人はわざわざ海外FXを選ばなくていいと思う。
しかし過度なネガティブキャンペーンのせいで、本来は海外FXで取引すべき人が渋々国内FXで妥協していくのを見過ごすわけにはいかない。
海外FXの魅力は数十万円の投資でも100万円、それ以上のリターンが見込めること。
短期間で爆発的に資金を増やすのに、海外FXほど適した環境はないと考えている。
このページをきっかけに今一度「国内業者を利用するか、海外業者を利用するか」を考えていただければ幸いだ。
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