AceForexは2014年より運営を開始したニュージーランドのブローカー。
様々な海外FX情報サイトとキャッシュバックキャンペーンでタイアップしており、優良業者として紹介されている。
色々な海外FX情報サイトを見てきた読者なら一度はAceForexを見たことがあるはずだ。
本記事ではAceForexについて、強み・弱みという切り口から徹底的にレビューしている。
AceForexの口座開設を考えている方は本記事を参考にしてみて欲しい。
以下記事では忖度なしに管理人が本当におすすめできる海外FX業者を本音でレビューしているので、AceForex以外の海外FX業者にも興味がある方はぜひ参考にしてほしい。
管理人から見たAceForexの評価
本記事で考察したAceForexの強みと弱みは以下の通り。
(時間がなければこの部分だけでも読んでほしい)
AceForexの強み
- 3タイプの口座が用意されている
- VIP口座のスプレッドがめちゃくちゃ狭い(ドル円平均0.8pips)
- 追証なしのゼロカットシステム採用
- 30%入金ボーナスあり
- 通貨ペアが57種と豊富でCFDやバイナリーオプションもできる
- MT5対応
AceForexの弱み
- スタンダード口座・VIP口座の初回入金額が高すぎる
- ロスカット水準が100%
- 公式HP・口座開設フォームが英語のみ
- 日本語サポートは一切受けれない
- DD業者の疑いがある
- 円口座に非対応
- 入出金手段がクレジットカードか海外銀行送金のみ
- ライセンスがマイナーライセンス1つのみ
- 資産管理は分別管理
結論から言うと『資金が550万円以上あり、レバ25~50倍で堅実にスキャルピングで稼ぎたいトレーダー』にオススメできる業者だ。
AceForexで利用価値があると言えるのは、超絶狭いスプレッド×レバレッジ100倍のVIP口座のみ。
それ以外はそこまで見どころがない。
もしVIP口座の初回入金550万円が可能であれば、国内FXより多少資金効率良くスキャルピングで稼いでいけるだろう。
ただし上述したトレーダー以外には利用価値がある業者とは思えない。
- ロスカット水準100%でレバレッジコントロールが難しい
- 日本語対応一切なしである程度の英語力が必要
- 入出金手段がクレカ・海外銀行送金しかない
- 業者の信頼性が乏しい
特に“海外FX初心者”にはかなり扱いづらい業者だ。
AceForexの6つの強み
AceForexの6つの強みを紹介する。
- 口座タイプが3種類用意されている
- VIP口座のスプレッドがずば抜けて狭い
- ゼロカットシステム採用で追証なし
- 30%入金ボーナスあり
- 取扱通貨ペア数が57種類と豊富。CFDやバイナリーオプションも取引可能
- MT5に対応している
口座タイプが3種類用意されている
AceForexでは3つのタイプから口座を選べる。
- マイクロ口座
- スタンダード口座
- VIP口座
それぞれの口座タイプの違いをまとめてみた。
●マイクロ口座
最大レバレッジ500倍、ロスカット水準100%。ドル円平均1.4pips。
30%入金ボーナスあり。
最低入金額5,500円相当(50$)の、AceForexの中でも1番とっつきやすい口座タイプ。
●スタンダード口座
最大レバレッジ100倍、ロスカット水準100%。ドル円平均1.2pips。
30%入金ボーナスあり。
最低入金額は110万円相当(10,000$)。
最低入金額の高さも驚愕だが、レバレッジ・ロスカット水準・スプレッド、特に見どころはない。
●VIP口座
最大レバレッジ100倍、ロスカット水準100%。ドル円平均0.8pips。
30%入金ボーナスあり。
AceForexの中でダントツ狭いスプレッドを提供している口座。
初回入金額が550万相当と高すぎるのがネック。
スキャルピングトレーダー向け。
この3つの中で使い道があるのは、マイクロ口座とVIP口座。
マイクロ口座は特筆すべきスペックではないが、最低入金額の安さ・30%入金ボーナスがあることを考えると、海外FX初心者が小手試し程度に利用するのはアリだ。
(とはいえこれ以上にとっつきやすいスペックはいくらでもあるので、オススメしたいわけではない)
またVIP口座は最低入金額こそ550万円相当と異常な高さだが、スプレッドの狭さは目を瞠るものがある。
550万円用意できるうえで、極狭スプレッドを生かして25~50倍のレバレッジで堅実なスキャルピングをしたいのであれば利用価値は十分あるだろう。
VIP口座のスプレッドがずば抜けて狭い
AceForexの3タイプの口座の中で、VIP口座のスプレッドは本当に狭い。
誇張なしで海外FXトップクラスと言える。
以下で管理人がメインで利用しているTitanFXと平均スプレッドを比較してみた。
AceForex (VIP口座) | TitanFX (ZEROブレード口座) |
|
---|---|---|
USD/JPY | 0.80pips | 1.03pips |
EUR/JPY | 1.20pips | 1.44pips |
EUR/USD | 0.70pips | 0.90pips |
GBP/USD | 1.30pips | 1.27pips |
AUD/USD | 0.80pips | 1.22pips |
見ての通り、海外FX業者の中でも最狭クラスのスプレッドを誇るTitanFXよりも狭いスプレッドを提供しているのがわかる。
スプレッドに極限までこだわるスキャルピングトレーダーにはかなりオススメ。
ただしこのスプレッドの恩恵を受けるには、550万円入金という高すぎるハードルを超えなければならないのが残念だ…。
「550万円なんて用意できないけど、できるだけスプレッドにはこだわりたい!」
というトレーダーは『海外FX業者のスプレッドを比較【リアルタイムスプレッドあり】」を参考にしてほしい。
ゼロカットシステム採用で追証なし
AceForexはゼロカットシステムを採用している。
有事の際に口座残高がマイナスまで吹っ飛んでしまっても、AceForexがマイナス分を肩代わりしてくれるので追証は発生しない。
純粋な損失上限は”投資金まで”というリスクが限定された環境でトレードできる。
30%入金ボーナスあり
AceForexでは全口座タイプ適用の30%入金ボーナスを開催している。
受取条件は新規口座を開設して入金するだけだ。
【ボーナス具体例】
●10万円をマイクロ口座に入金
→付与されるボーナスは3万円、有効証拠金は13万円
●110万円をスタンダード口座に入金
→付与されるボーナスは33万円、有効証拠金は143万円
●550万円をスタンダード口座に入金
→付与されるボーナスは165万円、有効証拠金は715万円
XMやLANDFXなど100%入金ボーナスを提供している業者と比べれば、30%というボーナス倍率は物足りない。
ただしスタンダード口座やVIP口座のように”そもそも初回入金額が大きい口座“なら、存外おいしいボーナスだ。
取扱通貨ペア数が57種類と豊富。CFDやバイナリーオプションも取引可能
AceForexは取引通貨ペアが全57種類と海外FXでも屈指の品揃えだ。
メジャー通貨ペアはもちろん、マイナー通貨ペアまで取り揃えている。
またCFDやバイナリーオプションまでFXと同一口座でできる充実っぷりだ。
FXだけでなく、CFDやバイナリーに興味のあるトレーダーにもオススメできる。
(ただしバイナリーは”バクチ”の要素が強すぎるので、管理人はあまりオススメしていない)
MT5に対応している
AceForexはMT4だけでなく、MT5にも対応している。
MT5を使える海外FX業者はまだ一握りなので、嬉しいポイントだ。
MT5は動作スピードがMT4より向上しており、よりサクサクと快適に使えるようになった。
また時間足表示が増えたことで、より正確なチャート分析ができるようになっている。
まだまだEA・インジケーターの充実度ではMT4に劣るものの、裁量取引メインであればMT5をオススメしたい。
AceForexの9つの弱み
次にAceForexの9つの弱みを紹介する。
- スタンダード口座・VIP口座の初回入金額が高すぎる
- ロスカット水準が証拠金維持率100%以下
- 最低限の英語が読めないと公式HP・口座開設フォーム共に使いにくい
- 日本語サポートが海外FXでも最低レベル
- DD業者の疑いがある
- 口座通貨が”円”に対応していない
- 入出金手段が乏しく不便
- ライセンスがマイナーで信頼性は低め
- 顧客資産管理が分別管理のみ
スタンダード口座・VIP口座の初回入金額が高すぎる
AceForexではマイクロ口座・スタンダード口座・VIP口座の3種類が用意されている。
このうちスタンダード口座とVIP口座の初回入金額が高すぎる。
- スタンダード口座:110万円相当(10,000$)
- VIP口座:550万円相当(50,000$)
正直シャレにならない金額だ。
いきなり海外FX初心者が入金するのは難しいだろう。
特にVIP口座に関してはせめてこの10分の1くらいまで入金額を下げてくれれば利用候補に入ってくるだけにもったいない。
もう少し新規顧客が利用しやすく、受け入れ窓口は広くしてほしいものだ。
ロスカット水準が証拠金維持率100%以下
AceForexの最大レバレッジは500倍(スタンダード口座・VIP口座は100倍)。
一見するとハイレバトレードをする上で十分なレバレッジに見える。
しかしAceForexは全口座タイプでロスカット水準が証拠金維持率100%以下。
フルレバ取引は絶対にできない上に、ハイレバトレードしすぎるとすぐに強制ロスカットされる可能性が高い。
なので強制ロスカットを避けるためにもレバレッジ200~300倍程度の運用が現実的だ。
(スタンダード・VIP口座ならレバ25~50倍での運用)
海外FXの醍醐味でもある400倍を超えるハイレバトレードがしにくいのは少々面白みにかける。
(※)ロスカット水準とは
各FXブローカーが定めている強制ロスカットラインがロスカット水準。
ロスカット水準は証拠金維持率を元にして定められており、証拠金維持率は以下の数式で求められる。
「有効証拠金(口座残高ー含み損)÷必要証拠金×100=証拠金維持率(%)」
例えば有効証拠金が10万円、必要証拠金が8万円だと、「10万円÷8万円×100=証拠金維持率125%」となる。
また当然だが有効証拠金は含み損が増えるほど減っていく。
先程の例で4万円の含み損が出たとすると、「6万円(10万円ー4万円)÷8万円×100=証拠金維持率75%」となり、含み損が増えると共に証拠金維持率が減るのがわかるだろう。
仮にAceForexのようにロスカット水準が100%でフルレバ取引すると、ポジションを持った瞬間にスプレッドが含み損として引かれるため、一瞬で証拠金維持率100%を割ってしまう。
ロスカット水準は低ければ低いほどロスカットされづらくなるので、証拠金の増減が激しいハイレバトレードではかなり重要だ。
最低限の英語が読めないと公式HP・口座開設フォーム共に使いにくい
AceForexの公式HP・口座開設フォームはすべて英語で書かれている。
今のところ日本語の対応は一切ない。
最低限の英語力がないとそもそも自分で公式HPの情報を拾ったり、スムーズな口座開設ができないのはマイナスポイントだろう。
多数の海外FX業者が日本のマーケット進出に伴い日本語対応を進めていることを考えると、AceForexの日本語対応はまだまだと言わざるを得ない。
日本語サポートが海外FXでも最低レベル
AceForexは日本語サポートレベルも海外FX業者の中で最低と言っても過言ではないだろう。
電話・FAX・メールの3つの問い合わせ方法が用意されているが、すべて英語で問い合わせなければならない。
そしてそもそも、チャットは存在しない。
英語の読みだけでなく、書く・話すまで最低限できないと疑問を解決できないのは初心者トレーダーには面倒だ。
DD業者の疑いがある
AceForexの公式HPには取引方式に関する記載がない。
NDD方式を採用していれば堂々と記載するはずなので、DD業者である可能性も否定できない。
仮にDD業者であれば、トレーダーが故意に負けさせられる可能性もある。
まだ管理人のもとにAceForexの明らかなイカサマ報告は入っていないので過剰な心配をする必要はないが、DD業者の可能性も念頭に置いておいてほしい。
(※)DD方式とは
DD(ディーリングデスク)方式とは、トレーダーとインターバンクの取引の間にディーラーが介入する取引方式のこと。
この方式ではディーラーがトレーダーの注文に対して、反対注文をぶつけることがある。
反対注文をぶつけてしまうと、トレーダーとディーラーの利益が相反してしまう。
なのでディーラーは顧客を負けさせようと、
- 意図的なリクオート(約定拒否)
- 悪質なレート操作
など、あの手この手のイカサマ行為を繰り出してくることがあるのだ。
ただし、あくまでも”反対注文をぶつけて負けさせてくる悪質な業者もある”というだけで、すべてのDD業者が悪というわけではない。
DD方式について詳しくは『FXのDD(OTC)方式とNDD方式の違い・メリットデメリットを解説。』を参考にしてほしい。
口座通貨が”円”に対応していない
AceForexの口座通貨はドルのみで、円口座は用意されていない。
慣れればどうってことはないが、慣れるまではドルで計算しなければならないのは面倒だ。
また円とドルを両替するタイミング、つまり入出金のタイミングで為替相場の影響を受ける(※)ことを覚えておこう。
- 入金時より出金時に円安の場合はオトク
- 入金時より出金時に円高の場合は損
自分で為替相場をコントロールできるわけではないので、そこまで気にすることはないが一応念頭に置いておくとムダな損を防げる。
(※)入出金のタイミングでの為替相場の影響例
●入金時より出金時に円安の場合
1ドル100円のタイミングで10,000円入金後、1ドル110円のタイミングで出金すると11,000円
●入金時より出金時に円高の場合
1ドル110円のタイミングで10,000円入金後、1ドル100円のタイミングで出金すると約9,090円
入出金手段が乏しく不便
AceForexで用意されている入出金手段はクレジットカードと海外銀行送金のみ。
国内銀行送金やbitwalletは用意されていない。
また利用できるクレジットブランドはVISAとMasterCardだけ。
つまりVISAかMasterCardを持っていない場合、必然的に海外銀行送金で入出金しなければならないことになる。
海外銀行送金は、
- 銀行まで出向いて手続きしなければならない
- リフティングチャージで約4,000円の手数料がかかる
- 着金までに3~5営業日かかる
とかなりデメリットが多く、可能な限り使いたくない入出金方法だ。
対応するクレジットブランドを持っていないと海外銀行送金になってしまうのは明確なデメリットと言えよう。
ライセンスがマイナーで信頼性は低め
AceForexの持っているライセンスはFSPR(ニュージーランド)のみ。
FSPRは”お金さえ払えばカンタンに取れる”とも言われる規制の緩いライセンスだ。
FCA(イギリス)やCySEC(キプロス)といった”取得難易度の高い”ライセンスと比べると、どうしても格は下がってしまう。
ライセンス面での信頼性は低めと言える。
顧客資産管理が分別管理のみ
AceForexの顧客資産管理は分別管理だ。
なので仮にAceForexが倒産した場合、口座に預けているお金が手元に戻ってくるとは限らない。
債務返済に使用される可能性もある。
今のところAceForexが倒産してしまう可能性は低いが、心配なら口座には必要最低限の金額だけ残すようにしておこう。
AceForexに対するトリセツ管理人の総評
上述してきた通り、AceForexは『潤沢な資金を持ち、レバ25~50倍で取引したい中級者以上のスキャルピングトレーダー』のみVIP口座を使う価値はある。
しかしそれ以外の方にはオススメできないのが現状だ。
まだまだ信頼性や日本語対応・サポート、入出金方法など、改善すべき点が多すぎる。
万人にオススメできる海外FX業者とは言えない。
特にVIP口座の初回入金額を下げて、より多くの人が利用しやすくすることが急務ではないだろうか。
今のままでは金銭面で圧倒的アドバンテージを持っている人でしか利用できない業者として終わってしまいかねないという懸念を述べて、本記事を締めくくりたい。