本記事ではPAMMやMAMと呼ばれるマネージドアカウントについて、海外FX歴10年を超える管理人がわかりやすく解説している。
PAMMやMAMは海外FXならではの運用方法なので、得体が知れない部分が多いだろう。
- そもそもPAMMやMAMって何?
- 同じマネージドアカウントでも、PAMMとMAMって何が違うの?
- PAMMやMAMでの運用にデメリットはない?
- PAMMやMAMで資金を運用できる海外FX業者はどこ?
など、PAMMやMAMに関する疑問は全てこのページで解決できるので、じっくり読んでみてほしい。
目次
マネージドアカウント(PAMM/MAM)の仕組みとは?
マネージドアカウントとは第三者に自己資金の運用を任せる仕組みのこと。
わかりやすく言うと、ファンドや投資信託のFXバージョンだ。
プロトレーダーが資金を募り、あなたの代わりにFXの取引をしてくれる。
【マネージドアカウントのイメージ】
- トレーダーA
→10万円出資 - トレーダーB
→50万円出資 - トレーダーC
→40万円出資
→合計100万円をプロトレーダー(アカウントマネージャー)が運用。投資金額に応じて、利益が出た場合に配当金を得られる仕組み。
アカウントマネージャーは各海外FX業者が紹介してくれる場合がほとんど※。
海外FX業者がマネージドアカウントを用意して、出資者を募っている。
マネージドアカウントを利用する場合は、マネージドアカウントの商品を用意している海外FX業者で口座を開設するようにしよう。
PAMMとMAMの違いは「取引履歴の閲覧可否」
マネージドアカウントにはPAMMとMAMの2種類がある。
両者の違いは口座の運用方法だ。
- PAMM(Percentage Allocation Management Moduleの略)
→複数の口座を1つの口座(マスター口座)に見立てて、アカウントマネージャーが運用する仕組み - MAM
(Multi Account Managerの略)
→出資者の口座の発注・決済のみをアカウントマネージャーが管理して運用する仕組み
どちらもアカウントマネージャーが取引する点では同じですが、出資者側にとっては「取引履歴を見れるかどうか」が異なる。
PAMMの場合は別のマスター口座で発注がなされるため、出資者が確認できるのは資金の増減のみ。
「いつエントリーして、いつ決済したか」までは追うことができない。
一方でMAMの場合は各出資者の口座で発注がなされるため、取引履歴まで追うことができる。
プロトレーダーの取引過程まで覗きたい人は、PAMMではなくMAMでの運用を検討しよう。
海外業者ではPAMMやMAMは違法ではない
たしかにPAMMやMAMは日本の法律では違法になるケースが多い。
金融商品取引法では「投資運用業」に登録していないと、他社の資金を運用したり、助言したりすることができないからだ。
次に掲げる契約を締結し、当該契約に基づき、金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、金銭その他の財産の運用(その指図を含む。以下同じ。)を行うこと。イ 投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十三項に規定する登録投資法人と締結する同法第百八十八条第一項第四号に規定する資産の運用に係る委託契約ロ イに掲げるもののほか、当事者の一方が、相手方から、金融商品の価値等の分析に基づく投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づき当該相手方のため投資を行うのに必要な権限を委任されることを内容とする契約(以下「投資一任契約」という。)(参照:金融商品取引法第2条8項)
同法29条で、上記の行為には投資運用業の登録が必要な旨が明記されている。
個人トレーダーがわざわざ投資運用業に登録するケースは少ないので、国内業者を通じたマネージドアカウントは違法になってしまうのだ。
一方で海外業者を利用する場合は、日本の法律の効力が及ぶことはない。
海外FX業者で国内業者では不可能な最大レバレッジ25倍以上の取引ができるのと同じ理屈だ。
海外業者を経由したPAMMやMAMの運用が原因で罰せられることはないので安心してほしい。
マネージドアカウント(PAMM/MAM)を利用するメリット
PAMMやMAMMを利用するメリットを紹介する。
- 業者選びさえ間違えなければ安全性が高い
- アカウントマネージャーの運用益の85%~70%を受け取れる
- 初期費用や固定費がかからない
- ソーシャルトレード(コピートレード)よりも精度が高い
業者選びさえ間違えなければ安全性が高い
PAMMやMAMMにおいて、資金を運用してくれるプロトレーダーにお金を預ける必要はない。
この点で投資信託やファンドでの運用とは一線を画している。
以下一般的なファンドや投資信託との資金管理の違いを簡単にまとめてみた。
■マネージドアカウント
- PAMM
→資金を預けたトレーダーのみが資金を移動できるマスター口座で資金を管理。 - MAM
→トレーダーの専用口座で資金を管理。
(アカウントマネージャーの取引と連動して取引が行われるだけ)
上述の通りPAMMとMAMで口座の扱いが異なるが、どちらも「資金を運用するアカウントマネージャーが資金を口座から動かせない」という点で同じだ。
■ファンド・投資信託
運用委託先に資金を一度預ける必要がある。理論上はいつでも資金を持ち逃げできる仕組み。
マネージドアカウントではアカウントマネージャーが資金を動かすことができないので、あなたの資金を持ち逃げされるリスクが皆無。
ひと昔前は日本で悪徳ファンドによる詐欺が横行したが、マネージドアカウントではその心配はない。
ただ口座を開設する海外FX業者は慎重に選ぶ必要がある。
アカウントマネージャーではなく、海外FX業者自体が顧客の資金を持ち逃げするリスクは残存しているからだ。
悪徳業者を避けて安全な海外FX業者を選ぶために見るべきポイントは、下記のページでまとめているのであわせて参考にしてみてほしい。
アカウントマネージャーの運用益の85%~70%を受け取れる
PAMMやMAMの手数料相場は運用益の15%~30%。
トレーダー自身何もせずとも、運用益の大部分を受け取ることができる。
【PAMMやMAMの運用益イメージ】
- トレーダーA
→10万円出資 - トレーダーB
→50万円出資 - トレーダーC
→40万円出資
合計100万円を運用して、アカウントマネージャーが10万円の利益を出した場合の収益は以下の通り。
■アカウントマネージャーの取り分
→手数料20%だと仮定すると、10万円×20%=2万円
■各トレーダーの取り分
→残りの8万円を出資額に応じて配分
- トレーダーA
→8,000円の利益 - トレーダーB
→4万円の利益 - トレーダーC
→3万2,000円の利益
またPAMMやMAMの運用は、アカウントマネージャーとの間の一対一のやり取りになる。
日本のファンドのようにいくつものファンドを経由した運用にはならないので、仲介によって手数料がカサマシされてしまうこともない。
初期費用や固定費がかからない
多くのマネージドアカウントでは、上述した運用益に応じた費用以外は発生しない。
- 購入手数料(株などを購入した時に発生する費用)
- 信託報酬(投資信託を持ち続けている限り発生する費用)
など、日本の投資信託で発生するような費用はかからない。
またアカウントマネージャーが初期費用や固定費を徴収していないので、運用で利益を上げないことにはアカウントマネージャーは一円たりとも儲からない仕組みになっている。
「運用するだけでも儲かる」わけではないので、当然だがアカウントマネージャーも真剣に運用してくれる可能性が高い。
ソーシャルトレード(コピートレード)よりも精度が高い
マネージドアカウントに似た仕組みとしてソーシャルトレード・コピートレードがあるが、PAMMやMAMの方が期待値が高い。
PAMMやMAMのアカウントマネージャーになるためには、海外FX業者の厳正な審査があるからだ。
ソーシャルトレードはあくまでトレード手法を真似されるだけで、コピーされる側のトレーダーには責任が発生しない。
したがってソーシャルトレードの間口は広く、参加しているプロトレーダーの質はピンキリだ。
一方でPAMMやMAMのアカウントマネージャーは、海外FX業者のお墨付きを受けて他のトレーダーの資金を実際に運用することになる。
もし成績が悪いいい加減なトレーダーにPAMMやMAMを任せてしまうとどうなるだろうか。
「何でこんなトレーダーにマネージドアカウントを任せているのか」というクレームが殺到し、評判に傷がつくことは避けられない。
海外FX業者が厳正な審査の末に任命したアカウントマネージャーである、という点でPAMMやMAMの方がトレーダーのクオリティーが高い。
マネージドアカウント(PAMM/MAM)のデメリット・注意点
次にPAMMやMAMのデメリットを3つ紹介する。
- 損益は運用委託先のトレーダーの力量に依存する
- トレーダーの任意のタイミングで出金できない
- トレーダーのスキルアップが停滞する
損益は運用委託先のトレーダーの力量に依存する
当たり前のことだが、PAMMやMAMでは100%勝ちが保証されているわけではない。
運用を委託したアカウントマネージャーが負ければ、トレーダーの資金も減ることになる。
元本保証のスキームも用意されていないので、PAMMやMAMを利用する場合アカウントマネージャーの腕を信じることしかできない。
トレーダーの任意のタイミングで出金できない
PAMMやMAMの口座に預けた資金は、トレーダーが好きなタイミングで出金することができない。
上述したが、PAMMやMAMの口座ではアカウントマネージャーの裁量でポジションを建てたり決済されることになる。
トレーダー自身で任意にポジションを決済できないので、出金のタイミングはアカウントマネージャーのトレードに依存することになる。
トレーダーのスキルアップが停滞する
PAMMやMAMではアカウントマネージャーへの丸投げでの運用になる。
いくら運用で利益を上げたとしても、FXトレードの力量がUPするわけではない。
「トレードスキルなんて必要ない。プロのトレーダーに運用を任せるだけで、楽して利益を上げたい。」という方にこそ、PAMMやMAMでの運用がおすすめできる。
マネージドアカウント(PAMM/MAM)の商品があるおすすめの海外FX業者
上述したように、マネージドアカウントでの運用は海外FX業者が用意しているPAMM口座やMAM口座を利用する方が手っ取り早い。
ここでは管理人が厳選した優良業者の中で、PAMMやMAMの口座を用意しており、運用成績が開示されているBigbossを紹介していく。
BigBoss
BigBossでは「PEGASUS」と「KOALA」という2種類のMAM口座を用意。
どちらも2019年の上半期は利率6%~10%で推移していたが、下半期に入ってから損失が目立つようになってきている。
- PEGASUS
→最高月利は約9%、最大損失は約12.5% - KOALA
→最高月利は約23%、最大損失は約51.2%
特にKOALAはハイリスク・ハイリターンのナンピン系のロジックを採用しているので、損益の動きが激しい。
堅く稼ぐというよりは、MAMでもスリリングな運用を求めている人と相性がいいと言える。
管理人から見たBigBoss
管理人のBigBoss詳細レビューでも述べているが、口座スペックとしては超絶微妙。
- 最大レバレッジ2,222倍
- 日本語サポートが丁寧
- 日本人向けの出入金方法が豊富
- ボーナスキャンペーンが少ない
とレバレッジは海外FXでも上位の方だが、ボーナスキャンペーンが少ないのが惜しいところ。
裁量トレードでの口座開設はおすすめできないので、あくまでMAM運用目的で利用するようにしよう。
以上PAMMやMAM初心者の方向けに、特徴や運用可能なおすすめ業者を紹介してきた。
マネージドアカウントでの運用は、よくも悪くも資金を運用するトレーダーやロジック次第。
戦績や運用を委託するトレーダーをしっかり見極めてから利用するようにしよう。