本記事ではソーシャルトレード(コピートレード)について解説している。
- そもそもソーシャルトレードとは何なのか
- ソーシャルトレードのメリット・強み
- ソーシャルトレードをする際の注意点
- ストラテジープロバイダーの選び方
などなど、ソーシャルトレードを始める上で必要な知識は網羅している。
ソーシャルトレードに興味がある方は参考にしてほしい。
目次
ソーシャルトレード(コピートレード)とは
ソーシャルトレード(コピートレード)は、”他人のトレードをコピーして、自分の口座で同じトレードをする“手法。
ストラテジープロバイダーと呼ばれるプロのトレーダーの中から自分が気に入るものを選択すると、そのトレーダーとまったく同じトレードがリアルタイムで行われる。
自分の意志・判断で売買する裁量取引や、設定された売買タイミングで自動的にトレードが行われるシステムトレードとは異なる”第三の取引手法”として注目を集めている。
ソーシャルトレードの始め方・流れ
ソーシャルトレードの仕組みや流れはいたってシンプル。
- ソーシャルトレードに対応している海外FX口座を開設
- コピーしたいストラテジープロバイダーを選択
- 運用を開始する
たったこれだけだ。
ストラテジープロバイダーを選択する際は、過去の運用成績や資産増減を確認しよう。
過去の運用成績や資産増減の情報をもとに、信頼して任せられるプロバイダーを自由に選択すればよい。
仮に運用が開始されて思うような結果が出なかったとしても、いつでもストラテジープロバイダーは変更できる。
ソーシャルトレードでは取引量や運用比率を調整できる
ソーシャルトレードでは自分自身で取引量や運用比率を調整できる。
【ストラテジープロバイダーの口座に10,000$入っていた場合】
自分が1,000$入金した場合、資産はストラテジープロバイダーの10分の1。
なのでストラテジープロバイダーが10lotのポジションを持ったら、取引量も10分の1となるので1lotのポジションを持つことになる。
【運用比率を50%に設定して、ストラテジープロバイダーの10分の1の資金を入金した場合】
入金資金が10分の1なので、通常だとストラテジープロバイダーが10lotポジったら自分は1lotポジることになる。
しかし運用比率を50%に下げているため、実際にポジるのは1lotの50%である0.5lot。
上記のように自分の投資金や許容リスクに合わせて調整が効くので、
「自分はストラテジープロバイダーほど資金を使えない」
「このストラテジープロバイダーが気になるけど、最初は運用比率を下げて様子を見たい」
という要望にも対応可能だ。
ソーシャルトレードがオススメな人
- FXがはじめてでどのようなトレードをすれば良いかわからない
- 負けが込んでいて勝ち方がわからない
- プロのトレードをコピーして手法を学びたい
- 自分でトレードする時間をあまり割けない
ソーシャルトレードは特に上記に当てはまる方にオススメだ。
もっと言えば、基本的には”絶対に自分自身の力のみでトレードしたい”という人以外に、ソーシャルトレードをオススメできない人はいない。
自分の力で取引したい人でも、自分でやりつつソーシャルトレードも併用してできる上に、プロのトレードをコピーすることで学びも得られる。
ソーシャルトレードに興味があるなら、負けても良い範囲の投資金で試してみると良いだろう。
ソーシャルトレード(コピートレード)のメリット・強み
ソーシャルトレードのメリット・強みを4つ紹介する。
- プロのトレーダーの取引を真似するので初心者でも勝ちやすい
- システムトレードと異なり”流行り廃り”がない
- 経済的なニュースにも強い
- まとまった取引時間を確保する必要がない
プロのトレーダーの取引を真似するので初心者でも勝ちやすい
ソーシャルトレード最大のメリットは”初心者でも勝ちやすい”という点だ。
上述したが、ソーシャルトレードはプロのトレーダーの手法をそのままコピーする手法。
自分なりの手法を確立していない初心者でも、プロと同じトレードができるため「訳も分からないまま資金をすべて溶かしてしまう」ということが起こりえない。
コピーするトレーダー選びさえ失敗しなければ勝てるというのは、初心者にとってかなり嬉しいメリットだろう。
システムトレードと異なり”流行り廃り”がない
ソーシャルトレードには流行り廃りがないのも大きなメリット。
EAだと昔は稼げていたが、今は全く稼げなくなったということが頻繁に起こる。
システムトレーダーなら運用成績が落ちてきたことを理由に、別のEAを利用し始めるというのはよくあることだろう。
あくまでも設定された通りの機械的なトレードしかできないEAでは、変化に対応するのは難しい。
しかしソーシャルトレードは、あくまでもストラテジープロバイダーが行う”裁量取引”。
選んだストラテジープロバイダーが優秀なら、あらゆる変化に対応して取引してくれる。
極論を言えば、優秀なストラテジープロバイダーを1人選択できればずっと稼ぎ続けてくれるわけだ。
経済的なニュースにも強い
FXでは大きな経済ニュース(リーマンショック・イギリスのEU離脱など)があると、相場が荒れてしまう。
そのような中では、機械的トレードをするだけんもシステムトレードはうまく機能しない。
対処するにはEAを止めるのが一般的な方法となる。
しかしソーシャルトレードでは”生身の人”が裁量でトレードしているため、勝手に変化に対応してくれて勝ち幅を広げてくれる可能性もある。
経済ニュースが出ても臨機応変に対応できるのは、ソーシャルトレードの強みと言えるだろう。
まとまった取引時間を確保する必要がない
ソーシャルトレードでは、選択したトレーダーの取引が24時間自動で行われている。
一度利用を開始してしまえば、一切チャートを眺めて取引チャンスを探す必要がない。
“完全放置“でOKだ。
忙しくてまとまった取引時間を確保できないトレーダーや、チャートとにらめっこし続けるのが苦手なトレーダーにはソーシャルトレードはハマるだろう。
またソーシャルトレードは、ついついしてしまいがちな”ムダトレード”も防いでくれる。
初心者にありがちだが、根拠のない場面での謎のトレードや熱くなりすぎて買い増ししてしまうという”ムダ”がソーシャルトレードなら起こりえないのもポイントだ。
ソーシャルトレード(コピートレード)の注意点
ソーシャルトレードには、注意点もある。
4点を押さえよう。
- ソーシャルトレードでも負けることは当然ある
- 利用手数料(成功報酬)がかかる
- トレードのコピーにはタイムラグが発生する
- 自身のトレード能力は上がらない
ソーシャルトレードでも負けることは当然ある
ソーシャルトレードは100%勝ちが約束されている取引手法ではない。
フォローするストラテジープロバイダーはあくまでも一トレーダー。
プロとは言え、一トレーダーが自身の取引理論に沿って取引していくので負けることも当然あり得る。
初心者であるほどソーシャルトレードで負けると「話が違う!なんで負けるんだ!」となりがちだが、そもそも”負けない”手法など存在しない。
負けることがあるのは織り込んだ上で、いかに”勝率が高い”ストラテジープロバイダーを選べるかが大事だ。
利用手数料(成功報酬)がかかる
ソーシャルトレードの利用では、利用手数料(成功報酬)がかかる。
利用手数料は「利益額の〇%」という設定だ。
詳細なパーセンテージは業者によって異なる。
例えば業者側が一律で5%に設定している場合もあるし、業者が自由にストラテジープロバイダーに設定させている場合もある。
ストラテジープロバイダーが設定している場合は、おおよそ20~30%にされていることが多い。
仮に利益額の20%が設定されているストラテジープロバイダーを選択して10万円の利益を上げた場合、そのうち2万円が手数料として差し引かれる。
実際に得られる利益は8万円だ。
ただしこの手数料は、あくまでも“ストラテジープロバイダーの取引がうまくいって利益を得たときのみ”支払うもの。
利益が出ていない場合は手数料はかからない。
(もちろん手数料がかからない=負けているわけなので投資金は減ってしまっているわけだが…)
一見するとユーザーにとってマイナスに感じられる手数料だが、この成功報酬と言うべき手数料があるおかげでストラテジープロバイダーも本気でトレードに向き合うようになり、ソーシャルトレードの質の高さが担保されている。
トレードのコピーにはタイムラグが発生する
ソーシャルトレードの仕組み上、自分の口座でコピーされたトレードが行われるのにはタイムラグが発生する。
「ストラテジープロバイダーの注文→自分の口座で同じ注文」という流れになるためだ。
コンマ数秒レベルのタイムラグだが、完全に同タイミングでコピーされることはありえない。
そのためスキャルピングのような超短期売買の手法だと、ストラテジープロバイダーと同じような収益を上げれないことも多い。
(わずか数コンマレベルの遅れでスプレッドが広がれば、それだけで収益は変わってくる)
なので管理人としてはスキャルピングのような短期売買ではなく、デイトレードやスウィングトレードのコピーをするのがオススメ。
長期間のトレードスタイルであれば、数コンマ程度のタイムラグで収益性が大きく変わる可能性は低い。
自身のトレード能力は上がらない
ソーシャルトレードを利用すると、”自分自身の力で”トレードする機会は失われる。
つまりソーシャルトレードを利用し続ける間、自分自身のトレード能力は上がらないわけだ。
ソーシャルトレードだけでは、相場を読む力・各種分析能力・利確損切りタイミングなどは磨かれない。
今後一トレーダーとしてやっていきたいなら、ソーシャルトレードに頼りきりはやめよう。
- ソーシャルトレードと自身のトレードを並行して行う
- ソーシャルトレードで得た利益分だけ使って自分でトレードする
というように、自分自身でのトレード機会を設けるのがオススメだ。
なお、FXを完全に”投資目的“と割り切って利用するならソーシャルトレードのみでも構わない。
ストラテジープロバイダーを選ぶときの4つのポイント
ソーシャルトレードを実際に運用する上で1番大切なのは、ストラテジープロバイダーの選択だ。
我々はストラテジープロバイダーのトレードをコピーするだけなので、コピーしたストラテジープロバイダーの負けが込むと我々も負けてしまう。
優秀なストラテジープロバイダーを選ぶ際に注目してもらいたいのは以下の4点だ。
- 獲得フォロワー数
- ドローダウン
- トレード日数
- トレード手法
獲得フォロワー数が多ければ多い方が良い
ソーシャルトレードではいつでもストラテジープロバイダーのフォローを解除できるため、利益を生まないプロバイダーのフォロワー数が増えるわけがない。
フォロワー数が多い=長期的に安定した利益を生み出しているストラテジープロバイダーということになる。
そのためシンプルにフォロワー数が多いストラテジープロバイダーを選ぶだけでも大失敗することはないだろう。
おおよその目安として、50人以上のフォロワーがいれば1度試してみる価値はある。
ドローダウンが20%以下
ドローダウンとは、最大資産から一時的にどれほど資産を減らしたかの下落率を表すもの。
【口座に100万円入っている場合のドローダウン】
- 一次的に最大70万円まで資産を減らした→ドローダウン30%
- 一次的に最大50万円まで資産を減らした→ドローダウン50%
- すべての資産を失ったことがある→ドローダウン100%
ドローダウンが高い=証拠金の増減が激しいトレードをしているということなので、ドローダウンが高いトレーダーは利益率も高い場合が多い。
しかしながら同時に負けるときは大きな損失を出してしまいがちというリスクもある。
ドローダウンが高くトレーダーを否定するわけではないが、はじめのうちはドローダウン20~30%ほどのストラテジートレーダーを選ぶのがオススメだ。
まずは利益率が低くても安定して稼げるストラテジートレーダーで資金を増やしたのちに、利益率が高いトレーダーを選んでいこう。
トレード日数が長いストラテジートレーダーのほうが安定感がある
中にはトレード期間が短く、利益率が高いトレーダーも存在する。
利益率が高い時点でフォローしてしまいたくなるが、一度踏みとどまってほしい。
FXでは調子や運次第で短期間でも大きく収益を上げられることもある。
極論、あなたが今考えなしに大lotポジって爆勝ちすることもあり得るわけだ。
トレード期間が短すぎると、”たまたま運良く勝っただけなのか””本当に実力があって勝っているのか”を判断しづらい。
たまたま運よく勝っただけのトレーダーの場合、自分がフォローした後に負けだして損失が生まれるパターンになってしまう可能性もある。
本当に実力があるかを見たいなら、最低でも3ヶ月(90日間)以上のトレード期間があるストラテジートレーダーを選ぶのが無難だ。
トレード手法はデイトレードかスウィングのほうが収益が安定しやすい
上述したがソーシャルトレードではコピー元のトレーダーの取引と、実際に自分の口座でコピーした取引の間にタイムラグが生じる。
スキャルピングのように数コンマ0秒の遅れが収益に大きく関わる手法とは若干相性が悪い。
多少のスリップでも収益に大きく影響のしないデイトレードかスウィングトレードのような、中長期的なストラテジーのほうがオススメだ。
ソーシャルトレードができるオススメの海外FX業者3選
ここからは、ソーシャルトレードができるオススメ海外FX業者を紹介する。
- FBS
- HFM(旧HotForex)
- TradersTrust
FBS
1番ソーシャルトレードできる海外FX業者でオススメなのがFBS。
理由はなんといっても手数料の安さだ。
どのストラテジープロバイダーを選ぼうが、利益の5%しか手数料がかからない。
他のソーシャルトレードの手数料が20~30%かかる中で破格すぎる安さだ。
また登録しているストラテジートレーダーの質も高い。
過去にどれだけ成績が良くても最近成績が良くないトレーダーの登録を削除するなど、常にストラテジートレーダーの質を担保しようとしている。
手数料も安い上にストラテジートレーダーの質も高いという、ソーシャルトレードを始めるにはうってつけの環境と言えよう。
HFM(旧HotForex)
HFM(旧HotForex)もFBSと同様ストラテジートレーダーの質はかなり高い。
- テストに合格した優秀なトレーダーのみを採用
- 6カ月に一回テストを行いストラテジートレーダーの質を定期的にチェック
ストラテジートレーダーの質は間違いないので、安心してトレードを任せられる。
ただしHFM(旧HotForex)の利用手数料は利益額の20~30%に設定しているストラテジートレーダーがほとんど。
FBSが一律5%なのと比べると高い。
そのため「手数料を加味しても手堅く堅実に稼ぎたい」という”ほぼ完全投資目的”のトレーダーにオススメだ。
TradersTrust
TradersTrustもソーシャルトレードをするならオススメしたい業者の1つ。
ソーシャルトレードの利用料は無料。
スプレッドや取引手数料はとられるが、ソーシャルトレードのサービス自体は無料で利用できる。
TradersTrustのコピー先は10種類以上。
決して数としては多くないが、1人1人コピー元をじっくり厳選しやすいという意味では初めてソーシャルトレードを利用しようとしている人にもオススメできる。
もちろんコピー元の実績はすべて公開されているため安心して選ぶことができる。
以上がソーシャルトレードに関する解説だ。
ソーシャルトレードはFX初心者にとって非常にメリットがある取引手法。
いきなりわけがわからないまま取引して資金をなくすリスクなく、プロの手法を学びながら稼げる可能性があるのは大きい。
ただし本文でも触れたが、ソーシャルトレードに頼りきりになるのは危険だ。
やはり自身で考えながら取引しないことにはトレードの腕は磨かれない。
ソーシャルトレードを利用しつつ、そこで学んだ経験・得たデータをもとに自分なりに取引して成長してほしいと思う。