本ページでは、FxPro(エフエックスプロ)の評判やスペックについて解説している。
FxProは2006年より運営を開始している老舗の海外FXブローカー。
最近では日本人人気は低迷しているものの、173カ国にサービスを提供し、現在では1,866,000以上の口座開設数を誇っている。
今回はFxProは口座開設の価値がある業者なのか、海外FX歴10年の管理人が本音で切り込んでいるので参考にしてほしい。
日本人に人気の海外FX業者は以下記事にまとめているので、とにかく利益を重視してトレードしたい方はぜひ参考にしてほしい。
管理人から見たFxProの本音評価
FxProの管理人の評価を先に言うと以下の通り。
『FxProの口座スペックはとにかく微妙。というか使う価値はないと思う。
FxProを強いてオススメするなら、信頼性・安全性を最重要視するトレーダーには向いている』
FxProは取引スペックが全体的にかなり弱い
正直に言って、FxProのスペックは弱い。
- スプレッドや取引コストが他社に比べて広い
- スリッページが起きやすい
- ボーナスキャンペーンをやってない
- 日本語サポートが一切ない
- 入金手段が少なく全ての入金方法で手数料がかかる
などなど、他の海外FXブローカーに勝っている部分がほとんどないのだ。
秀でている部分は信頼性と取引銘柄の豊富さ
FxProの秀でている部分が企業としての信頼性・安全性。
FxProでは『顧客資金の安全性維持が何よりも最重要事項』と掲げており、10年を超す運営歴の中で出金拒否などの噂は一度もない。
- “利益が出たのに出金できない”
- “突然資金を持ち逃げされる”
上記のようなリスクは限りなく低いと考えて良いだろう。
また、取引ペアが業界でもTOPクラスに豊富というのも強み。
FX通貨ペア69種類に加えCFD先物銘柄、株式銘柄、インデックス銘柄など全てを合わせると278種類がトレードが可能だ。
FxProがおすすめなトレーダー
まとめると、以下に該当する方はFxProでの口座開設を検討する余地はあるだろう。
- 取引コストが他の海外FX業者よりも多くかかっても、とにかく安全安心な海外FX業者でトレードしたい方
- ニッチな通貨ペアや、多様な株式銘柄でハイレバトレードしたい方
ただし、FxProよりも格段にスプレッドが狭い業者やボーナスが豊富で信頼性もある海外FX業者は他にもたくさん存在する。
個人的には、別のブローカーを検討したほうが良いと思う。
海外FXのトリセツ管理人のオススメ海外FX業者が知りたい方へ
海外FX歴10年の管理人が選ぶオススメの海外FX業者を以下の記事でまとめた。
FxProよりもスペックがはるかに優秀な海外FX業者はたくさんあるので、一度見ていただきたい。
FxProの口座タイプは全部で5つ
FxProは5つの口座タイプがある。
- MT4 Instant
- MT4 Fixed Spread
- MT4 Market
- MT5
- cTrader
この中でもっともスペックが優秀で使いやすいのは、MT4 Market口座。
他の口座はあまり使う価値がない。
5口座の違いは、以下の通りだ。
FxProの口座タイプ比較表
項目 | MT4 Instant | MT4 Fixed Spread | MT4 Market | MT5 | cTrader |
---|---|---|---|---|---|
取引手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 4.5ドル/片道 |
約定方式 | 自社内決済 | 自社内決済 | マーケット決済 | マーケット決済 | マーケット決済 |
注文の 滑りやすさ | 滑りにくい | 滑らない | 滑りやすい | 滑りやすい | 滑りやすい |
スプレッド タイプ | 変動 | 9銘柄のみ固定 | 変動 | 変動 | 変動 |
ドル円 平均スプレッド | 1.80pips | 1.60pips | 1.50pips | 1.80pips | 0.80pips (実質1.70pips) |
ユーロ円 平均スプレッド | 2.40pips | 2.20pips | 2.10pips | 2.40pips | 1.40pips (実質2.30pips) |
ユーロドル 平均スプレッド | 1.70pips | 1.60pips | 1.40pips | 1.70pips | 0.80pips (実質1.70pips) |
取引プラットフォーム | MT4 | MT4 | MT4 | MT5 | cTrader |
ロスカット水準 | 20% | 20% | 20% | 30% | 30% |
【補足】全口座共通スペック
- 最大レバレッジ 1,000倍
- 通貨ペア数 69種類
- 最低入金額 500ドル
- 最小取引単位 1,000通貨
上記はFxPro全口座共通のスペックだ。
MT4 Instant口座
約定方式が自社内決済でカバー取引を行うため、スリッページが起きにくい(滑りにくい)という長所がある。
ただし、5口座の中でスプレッドが最も広く使いづらい口座だ。
MT4 Fixed Spread口座
固定スプレッド制の口座。
もともと設定されている固定スプレッドそのものが広いのに加えて、雇用統計などの相場が急変動する際はスプレッドが拡大するという謎仕様。
(FxProは固定の意味を理解しているのか、、、と質問したくなる)
使い道が全くない口座と言える。
MT4 Market口座
5口座の中で最もスプレッドが狭く、優秀な口座。
FxProで口座開設するなら、この口座で決まりだ。
ただし、滑りやすいというデメリットはある。
MT5口座
MT4 Market口座のプラットフォームがMT5になっただけなのに、なぜかスプレッドが0.2pipsほど広く設定されている。
取引コストがもったいないので、MT5をよっぽど使いたい人以外はMT4 Market口座を選択しよう。
cTrader口座
cTraderという最新のプラットフォームでトレードできる口座。
ただし、FxProのcTrader口座は、さほどスプレッドが狭いわけでもないのに、取引手数料が片道4.5ドル/lotと鬼高い。
ドル円のトータルコストでいうと
『平均スプレッド0.8pips+手数料4.5ドル(0.45pips)×2倍(往復)=1.70pips』
となり、全然お得ではないことがわかっていただけるだろう。
FxProのcTrader口座は、他の海外FX業者の3倍近いコストなので、オススメできない。
cTraderを提供しているオススメ海外FX業者
もしあなたがcTraderに興味があるなら、ぜひオススメしたいのがAXIORYという海外FX業者だ。
・cTrader対応
・ドル円平均スプレッド0.4pips
・取引手数料 片道3ドル
・完全日本語対応
・追証なし
・高速約定
・初回最低入金額2万円~
初心者でもとっつきやすく、スペックも抜群に高い。
以下の記事でAXIORYの詳細をまとめているので参考にしてほしい。
FxProの7つの弱み
FxProは正直言ってあまりおすすめできる業者ではない。
その根拠となる7つの弱みを解説する。
- 初回最低入金額のハードルが500ドルと高い
- スリッページが起きやすい
- スプレッドがやや広め
- ボーナスキャンペーンは一切なし
- 日本語サポートが終了している
- 入金手段が少ない上に手数料がかかる
- 日本市場撤退による信用の低下
初回最低入金額のハードルが500ドルと高い
FxProの初回最低入金額はどの口座タイプを選んでも500ドル(50,000円)から。
他業者よりもハードルが高く設定されており、初心者には手を出しにくい額だ。
スリッページが起きやすい
FxProはとにかく滑りやすい。
FxProは公式サイトで全注文の5.19%でスリッページが発生するというデータを公表している。
100回注文すると5回スリッページが起きるという計算・・・。
隠さずに公表する姿勢は褒めたいが、この数字はかなり高い方だ。
スキャルピング中心のトレーダーは、滑りにストレスが溜まるだろう。
スプレッドがやや広め
FxProのスプレッドは決して狭いわけではなく、並~広めだ。
FxProで最もスプレッドが優秀なMT4Market口座と、管理人がメインで使っているTitanFXのスプレッドを比較してみよう。
FxProとTitanFXのスプレッド比較
FXPro | TitanFX |
|
---|---|---|
ドル円 スプレッド | 1.50pips | 1.33pips |
ユーロ円 スプレッド | 2.10pips | 1.74pips |
ユーロドル スプレッド | 1.40pips | 1.20pips |
オージー円 スプレッド | 1.50pips | 2.12pips |
ポンド円 スプレッド | 3.30pips | 2.45pips |
オージー米ドル スプレッド | 1.60pips | 1.52pips |
ポンドドル スプレッド | 1.60pips | 1.57pips |
ご覧の通り、全ての通貨ペアでTitanFXよりも、スプレッドが広いことがわかる。
ボーナスキャンペーンは一切なし
FxProはボーナスキャンペーンを一切行なわない方針のブローカー。
運営開始から一度もボーナスキャンペーンを実施したことはない。
スプレッドがとにかく狭い業者ならわかるが、さして狭くないのに、ボーナスも一切ない。
日本語サポートが終了している
2018年になって日本語サポートが廃止された。
(2017年までは、メール・オンラインチャットでの日本語サポートがあった)
なので口座開設後、サポートに問い合わせる際は全て英語でのやり取りとなる。
英語が話せない方にとっては使いにくい。
入金手段が少ない上に手数料がかかる
FxProは以下3種類の入金手段しかない。
- クレジットカード、デビットカード
- 海外送金
- PayPal
入金方法 | 取引口座への 反映時間 | 入金手数料 |
---|---|---|
クレジットカード デビットカード | 手続き後即時~10分 | 入金額の1.6% |
海外銀行送金 | 3~5営業日 | 送金手数料 2500円~4500円 |
PayPal | 手続き後即時~10分 | 入金額の2.7% |
驚きなのが、全ての入金手段で手数料がかかってしまうこと。
ほとんどの海外FX業者で入金手数料がタダなのを加味すると、せめてクレジットカード入金くらいは入金手数料を負担してほしいものだ。
日本市場撤退による信用の低下
FxProは一度2011年4月にCySEC(キプロス)の勧告を受けて日本市場から撤退した。
これ自体は、過去にPepperStoneが日本市場から撤退したのと同じようなケースなので、ある意味仕方のない撤退理由と言える。
しかしポジションの強制決済を行い、突然撤退したのがマズイ対応だった。
ちょうどその時期は東日本大震災が起こった直後。
有事のマーケットの混乱によって、多数の日本人トレーダーがマイナスポジションを抱えていた中だったのである。
そんな中でポジションを強制決済、日本市場から撤退してしまったために、多額の損失を抱えたトレーダーが生まれてしまい、信用を失う結果となった。
撤退理由は仕方がないとはいえ、そこで別の撤退方法を取っていれば今でも日本人トレーダーからの人気は高かったかもしれない。
再度2013年にバハマライセンス法人で日本事象に舞い戻ってきたが、過去の信用を取り戻すには至っていない。
FxProの4つの強み
FxProがオススメできない業者であることは上述してきた通りだが、一応FxProにもまったく見どころがないわけではない。
以下ではFxProの強みについて述べているので参考程度に確認してほしい。
老舗ブローカーとして安全性・信頼性あり。事業規模やライセンスに申し分なし
上述した通り、FxProの一番の強みが何と言っても企業としての信頼性・安全性だ。
事業規模や経営基盤、コンプライアンス管理の厳格さなど、どれをとっても海外FX業界でTOPクラスの信頼性を誇る。
2006年創業の老舗ブローカー
FxProは2006年創業の老舗ブローカー。
海外FX業者の中ではiforexに次いで歴史が長い。
資本金は1億ドルを超し、従業員数は200名、世界173カ国で60万以上の口座開設数がある、など事業規模や経営基盤は盤石と言えるだろう。
金融ライセンスは4カ国で取得
FxProは以下4つの金融ライセンスを取得している。
- キプロス証券取引委員会(CySEC)
- バハマ証券委員会(SCB)
- 南アフリカ金融サービス委員会(FSB)
- 英国金融行動監視機構(FCA)
- ドバイ金融サービス機関(DFSA)
この中でも、英国金融行動監視機構(FCA)のライセンス取得難易度は特にかなり高い。
審査には厳格な基準が定められており、海外FXライセンスの中でも最高峰といえるレベルだ。
この中で日本人が口座開設できるのは、規制の関係でキプロスライセンス配下かバハマライセンス配下のみなのだが、FxProグループでFCAライセンスを取得できているのは信頼性の証明になる。
有名スポーツチームのスポンサー実績多数
FxProはスポンサー活動に積極的に力を入れており、現在は英国プレミアリーグの『ワトフォードFC』とF1チームの『マクラーレン』の公式スポンサーだ。
過去には、日本人プロサッカー選手の稲本が所属していた英国プレミアリーグのフルハン(FULLHAN)のスポンサーを長年務めていたこともある。
他にも、Aston Villa FC、AS Monaco FC、F1チームのVirgin Racing、BMW Sauber、ゴルフトーナメント、アジアチャンピオンリーグのオフィシャルパートナー、ビーチバレーなど多くの活動のスポンサーを経験している。
知名度が高いチームのスポンサーになるためには億単位の契約金はもちろん、企業の信頼性やコンプライアンスも重視される。
ここまで多くのスポンサー実績があるFxProは、一定の評価ができるだろう。
FX取引通貨ペア数69種類・CFD・インデックス・株式銘柄も豊富
FxProはFX取引通貨ペア数69種類に加えて、CFD20銘柄、インデックス29銘柄、株式151銘柄、メタル6銘柄、エネルギー3銘柄と、合計278種類もの銘柄でトレードすることができる。
メジャーな銘柄はもちろん、ニッチな銘柄もほぼ全てをカバーしていると言ってよいだろう。
株式では、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスの一流企業の株式銘柄151種類がトレードできる。
例えばコカ・コーラや、フェイスブック、アップル、グーグル、IBM、JPモルガンなど誰もが一度は聞いたことがある企業の株の売買が可能だ。
最大レバレッジ1,000倍&追証なしのゼロカットシステム採用
FxProの最大レバレッジは1,000倍。
追証なしのゼロカットシステムに対応しているため、投資金以上の損失を出すことはない。
また、ロスカット水準も20%と高いので、大胆なハイレバトレードでもギリギリまでポジションを持って攻めることができる。
分別管理の徹底と最大2万ユーロの補償あり
FxProはバークレイズ銀行・RBS・シティバンクといった世界的な国際銀行で、業者の運転資金と顧客資産を分別管理で保管している。
また投資家補償基金(IFC)に加盟しているため、最大2万ユーロ(260万円相当)までの補償を受けられる。
大口投資家であれば物足りなく感じるかもしれないが、一般レベルの投資家なら十分な補償金額だろう。
常に口座残高が260万円以下になるように出金しておけば、誰でも満額補償を受けられる。
またFxProは世界4大会計事務所・コンサルティングファームの一角である「PwC(PricewaterhouseCoopers)」を外部監査に置いている。
業者の資金繰りに関しては心配する必要は一切ないだろう。
FxProのトリセツ管理人統括
FxProは2011年頃は、日本人トレーダーに人気の海外FX業者だったが、今ではすっかり存在感がなくなってしまった。
2018年になって『日本語サポート停止』『国内銀行送金サービス廃止』が立て続けに決まるなど、FxPro経営陣があまり日本市場にチカラを入れていないように感じる。
正直あまり使うメリットを見いだせない海外FX業者だ。