「50pips儲けた」
「ドル円のスプレッドが1.0pips」
このようにFX取引において頻繁に登場するpips(ピップス)という単位。
『なんとなく雰囲気では理解しているが、厳密にはわからない…』という人も多いだろう。
そこで今回は国内外問わずにFX取引で重要になってくるpipsという単位について、
- そもそもpipsってどんな単位なのか
- 1pipsはいくらか
- 1pispを簡単に計算する方法はないのか
を、どこよりもわかりやすくまとめている。
【海外FXのトリセツ管理人の結論】
pipsは、FX取引における通貨価格の最小単位を指す。
pipsの値が小さいほど、取引コストが少ないということになる。
またpipsの値が小さい業者は、レバレッジが無制限だったり大胆なところが多い。
そのため一見ダイナミックな取引をしたいトレーダーに向いていそうだが、こうしたFX業者はボーナスキャンペーンが充実していなかったり、安全性の面で信頼できないところが多いのがネックだ。
本当にダイナミックな取引を実現したいなら、レバレッジ・スプレッド・ボーナス・安全性すべてのバランスの取れた業者を選択するのがおすすめだ。
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ぜひチェックしてほしい。
目次
FXのpips(ピップス)とは?
pipsはFX取引のために便宜上導入された単位のことだ。
導入されたおかげで、異なる通貨ペアの値動きや利幅、スプレッドをpipsという単位で統一して表現することが可能になった。
1pipsの単位の大きさは「通貨ペアに円を含むか含まないか」で下記のように異なる。
- ドル円・クロス円の通貨ペア
→1pips=1銭(=0.01円) - クロス円以外の通貨ペア
→1pips=0.0001通貨単位(ドルなら0.01セント)
MT4やMT5などのプラットフォームを見ればわかるが、どちらも表示されているレートの右から2番目の数字※がpipsの1の位の数字になる。
※余談だが、以前までpipsの1の位の数字はレートの1番右端の数字に対応していた。
- 円絡みの通貨ペア
→小数点第二位(5桁表示) - 円を含まない通貨ペア
→小数点第四位(5桁表示)
だったので、レートの最小単位ということで右端の数字が1pipsの数字になっていたのだ。
ただ最近では6桁表示(ドル円;108.223など)のように、レート表示の桁数を増やすFX業者が増えてきた。
pipsの大きさは維持したままレート表示だけ変更になったので「pipsの1の位=レートの右から2番目の数字」という、ちょっとわかりにくい仕様になっている。
円絡み(ドル円・クロス円)の通貨ペアは「1pips=0.01円=1銭」
ドル円やユーロ円、ポンド円などのクロス円の通貨ペアの1pipsは0.01円相当の単位。
言い換えると100pips=1円だ。
円には銭という1/100円の単位が存在するので、1pips=1銭ということになる。
たとえば「ドル円で12pips価格が下がった」という場合は、0.12円(=12銭)だけ値動きがあったということを意味する。
MT4やMT5上では、少数点第二位の数字がpispの1の位の数字。
たとえばドル円のAsk値「111.952円」は、pipsに直すと11,195.2pips。
Bid値は「111.908円」なので、スプレッドは「111.952円ー111.908円」で4.4pipsになる。
※土日でFX市場が閉場している時間帯のキャプチャなので、スプレッドがかなり広がっている
円を含まない通貨ペアは「1pips=0.0001通貨単位」
ユーロドルやユーロポンドなど、円を含まなない通貨ペアの1pipsは0.0001通貨相当の単位。
※通貨単位とは「ドルやユーロ」のこと
たとえばユーロドル1pipsは0.0001ドルと同義。
1ドル=100セントなので、セントに換算すると0.01セントだ。
同様にユーロポンド1pipsは0.0001ポンドと同義になります。
MT4やMT5上では、少数点第四位の数字がpispの1の位の数字。
たとえばユーロポンドの「0.86054」をpipsに換算すると8605.4pips。
スプレッドは「0.86054円ー0.85999円」で5.5pipsになる。
※土日でFX市場が閉場している時間帯のキャプチャなので、スプレッドがかなり広がっている
※pipsという単位がなかったら…
例えばスプレッドの数値を見る場合を考えよう。
ご存知の方も多いと思うが、スプレッドは0.1pipsや0.7pipsのように1pipsを下回ることもしばしば。
- 1円=100銭
- 1ドル=100セント
のように細かい通貨単位がある場合なら問題ないが、多くの外国通貨には日本でいうところの銭のような単位がない。
pipsがなかったら、0.00003ユーロのようにスプレッドを表記する際にゼロが多くなってしまうのだ。
pipsという統一単位があることで、スプレッドを見やすく表記できるようになった。
1pipsはいくら?算出する式と3つの具体例
1pispがいくらになるかは、以下の計算式で算出できる。
エントリー枚数(取引通貨量)×0.0001×現行の為替レート
計算式を見ればわかると思うが、エントリー枚数によって1pipsの価値が異なるので注意してほしい。
※口座レバレッジには依存せず、あくまでエントリー枚数に依存する。
【例①】ドル円で50万通貨(1lot)エントリー、1ドル=100円の場合
50万××0.0001×100円=1,000円
この場合1pips=1000円になる。
【例②】豪ドル米ドルで1万通貨(0.01lot)エントリー、1豪ドル=0.7米ドルの場合
1万×0.0001×0.7米ドル=0.7米ドル
米ドル=100円だとすると、1pips=700円になる。
【例③】ユーロポンドで100万通貨、1ユーロ=0.8ポンドの場合
100万円×0.0001×0.8=80ポンド
1ポンド=140円だとすると、1pips=80ポンド=11,200円になる。
1pipsを計算するpips計算機と使い方
「自分で計算するのは面倒だな…」という方は「CASHBACK FOREX」が提供しているpips計算機を利用しよう。
- Pip Amount:調べたいpips数(1pipsの価値を知りたい場合は「1」と入力)
- Currency Pair:自分が取引する通貨ペア
- Trade Size:取引するポジションの大きさ(1lot=10万通貨)
- Deposit currency:1pipsの価値が知りたい通貨(日本円の場合は「JPY」)
この4つを入力・選択するだけで、現行のレートに即した1pipsの価値を計算できる優れものだ。
▼下記に直接入力すれば計算できる▼
主要通貨ペア8種類における1pips(ピップス)の日本円換算一覧
以下上述した計算方法にしたがって、
- ドル円
- ユーロ円
- ポンド円
- 豪ドル円
- ユーロドル
- ポンドドル
- 豪ドル米ドル
- ユーロポンド
上記8つのメジャー通貨ペアで、エントリー枚数ごとに「1pipsが何円か」を表でまとめてみた。
※各通貨間のレートは全て下記で統一している。
- 1ドル=100円
- 1ユーロ=110円、1.1ドル、0.9ポンド
- 1ポンド=120円、1.2ドル
- 1豪ドル=80円、0.8ドル
1,000通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 1pipsの価値 | 日本円換算 |
---|---|---|
ドル円 | 10円 | ー |
ユーロ円 | 11円 | ー |
ポンド円 | 12円 | ー |
豪ドル円 | 8円 | ー |
ユーロドル | 0.11ドル | 11円 |
ポンドドル | 0.12ドル | 12円 |
豪ドル米ドル | 0.08ドル | 8円 |
ユーロポンド | 0.09ポンド | 10.8円 |
1万通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 1pipsの価値 | 日本円換算 |
---|---|---|
ドル円 | 100円 | ー |
ユーロ円 | 110円 | ー |
ポンド円 | 120円 | ー |
豪ドル円 | 80円 | ー |
ユーロドル | 1.1ドル | 110円 |
ポンドドル | 1.2ドル | 120円 |
豪ドル米ドル | 0.8ドル | 80円 |
ユーロポンド | 0.9ポンド | 108円 |
10万通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 1pipsの価値 | 日本円換算 |
---|---|---|
ドル円 | 1,000円 | ー |
ユーロ円 | 1,100円 | ー |
ポンド円 | 1,200円 | ー |
豪ドル円 | 800円 | ー |
ユーロドル | 11ドル | 1,100円 |
ポンドドル | 12ドル | 1,200円 |
豪ドル米ドル | 8ドル | 800円 |
ユーロポンド | 9ポンド | 1,080円 |
100万通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 1pipsの価値 | 日本円換算 |
---|---|---|
ドル円 | 1万円 | ー |
ユーロ円 | 1万1,000円 | ー |
ポンド円 | 1万2,000円 | ー |
豪ドル円 | 8,000円 | ー |
ユーロドル | 110ドル | 1万1,000円 |
ポンドドル | 120ドル | 1万2,000円 |
豪ドル米ドル | 80ドル | 8,000円 |
ユーロポンド | 90ポンド | 10,800円 |
主要通貨ペア8種類における1万円稼ぐために必要なpips(ピップス)数一覧
上述したようにpipsはスプレッドの他に「目標利幅」として単位が用いられることも多い。
そこでメジャー通貨ペアにおける1万円の利益を上げるために必要な利幅も一覧でまとめてみた。
※他の金額(1000円や10万円など)を稼ぐために必要なpips数を知りたい場合は、掛け算や割り算を駆使して算出してほしい。
たとえば10万円相当のpips数を知りたい場合は、表の数値をそれぞれ10倍すればOKだ。
1,000通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 日本円1万円相当のpips数 |
---|---|
ドル円 | 1000pips |
ユーロ円 | 約900pips |
ポンド円 | 約830pips |
豪ドル円 | 約1250pips |
ユーロドル | 約900pips |
ポンドドル | 約830pips |
豪ドル米ドル | 約1250pips |
ユーロポンド | 約920pips |
1万通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 日本円1万円相当のpips数 |
---|---|
ドル円 | 100pips |
ユーロ円 | 約90pips |
ポンド円 | 約83pips |
豪ドル円 | 約125pips |
ユーロドル | 約90pips |
ポンドドル | 約83pips |
豪ドル米ドル | 約125pips |
ユーロポンド | 約92pips |
10万通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 日本円1万円相当のpips数 |
---|---|
ドル円 | 10.0pips |
ユーロ円 | 約9.0pips |
ポンド円 | 約8.3pips |
豪ドル円 | 約12.5pips |
ユーロドル | 約9.0pips |
ポンドドル | 約8.3pips |
豪ドル米ドル | 約12.5pips |
ユーロポンド | 約9.2pips |
100万通貨でエントリーした場合
通貨ペア | 日本円1万円相当のpips数 |
---|---|
ドル円 | 1.0pips |
ユーロ円 | 約0.9pips |
ポンド円 | 約0.83pips |
豪ドル円 | 約1.25pips |
ユーロドル | 約0.9pips |
ポンドドル | 約0.83pips |
豪ドル米ドル | 約1.25pips |
ユーロポンド | 約0.92pips |
表を見ればわかるように、1万円の利益を狙うには10万通貨のドル円エントリーで10pipsほど利幅を抜けばOK。
口座のレバレッジサイズが500倍なら、必要証拠金2万円で10万通貨のドル円ポジションでエントリーできる。
(ドル円100円計算)
このように少ない証拠金&少ない利幅でも、ある程度まとまった利益が狙えるのが海外FXのハイレバ取引のメリットだ。
FXのpipsまとめ
最後に当ページで解説したpipsについておさらいしておこう。
【pipsという単位の大きさ】
- ドル円・クロス円の通貨ペア
→0.01円相当(=1銭) - 円を含まない通貨ペア
→0.0001通貨相当(=ドルなら0.01セント)
※pipsの1の位は、取引プラットフォームに表示されている数字の右から2番目の数字になる。
【pipsが何円、いくらになるのか】
■ドル円で取引した場合
- ドル円(100円)で1000通貨エントリー
→100円相当 - ドル円(100円)で1万通貨エントリー
→1000円相当 - ドル円(100円)で10万通貨エントリー
→10,000円相当
■ユーロドルで取引した場合
- ユーロドル(1.1ドル)で1000通貨エントリー
→0.11ドル(11セント)相当 - ユーロドル(1.1ドル)で1万通貨エントリー
→1.1ドル相当 - ユーロドル(1.1ドル)で10万通貨エントリー
→11ドル相当
- どの通貨ペアで取引するか
- どのくらいのポジションサイズでエントリーするか
この2つを決めておけば1pipsがいくらになるのかが計算できます。
1pipsの価値さえ分かれば、他に必要なのはカンタンなかけ算やわり算だけ。
取引に関連する数値を算出する際に応用できる。
- 取引通貨ペア
→ユーロ円(110円) - エントリーポジション
→10万通貨
⇨1pipsの価値は1,100円
■2万円の利益が出たら決済したい
→2万円÷1,100円=約18.1pips(約0.00181ユーロ)思惑通りに値動きしてから決済すればOK。
■1万円の含み損が出たら損切りしたい
→1万円÷1,100円=約9.09pips(約0.0009ユーロ)先に逆指値を設定すればOK。
■実際にスプレッドがいくらになるのか知りたい
スプレッド1.6pipsの場合
→1.6×1,100円=1,760円がスプレッドになる。
このページで学んだpips計算を海外FX取引に役立てていただければ幸いだ。