海外FX初心者が心配するのが”海外FX業者は違法なのか“どうか。
結論から言うと、海外FX業者を利用するトレーダーにとっては違法性はないと管理人は考える。
このページでは、管理人が海外FXは違法ではないと考える理由、なぜ違法・危険だといわれるのかについて解説している。
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【結論】海外FXの利用は違法ではない
日本人トレーダーが海外FX業者を利用しても違法にはならない。
ここでは、海外FX業者を利用する前に押さえておきたい事前知識を3つ紹介していく。
- そもそも海外のサービスは日本の法律が適用されない
- ただし海外FXブローカー側の日本人勧誘行為は法律違反
- 脱税は法律違反。海外FX取引で得た利益の税金は必ず支払おう
そもそも海外のサービスは日本の法律が適用されない
日本の法律は原則として日本国内の領土(領海・領空含む)の中でしか効力がない。
つまり、日本国内のサービスの場合、国内の法律が適用され罰則を与えることはできるが、海外で国内法に違反する行為をした場合は罰することができない。
(例1)海外でカジノをプレーしても違法ではない
日本国内ではカジノを運営することもプレーすることは法律(賭博罪)で禁止されている。
当然日本でカジノを運営しても客側として参加しても法律違反で罰金もしくは逮捕される。
しかし、例えばラスベカスや香港のマカオのカジノでプレーしても、当然日本の法律違反には当てはまらない。
現地(ここでいうラスベガスやマカオ)の法律で認められていることを日本人が行ってもなんの問題もないのだ。
(例2)海外の無修正アダルトサイトを閲覧しても違法ではない
日本国内では、無修正のアダルト動画をアップロードすることは禁じられている。
しかし海外法人によって、海外サーバーで運営されている無修正アダルトサイトの場合、国内法の範囲外のため、閲覧しても法律で罰せられることはない。
※当然その国で無修正が許可されていることが前提である
これは海外FXでも同じことが当てはまる。
海外FX業者が日本の法律のレバレッジ規制(25倍以下)を満たしていないからといって、海外のサービスである海外FXを日本人が自発的に利用することに対して日本の法律の範囲外で、罰せられることはない。
※”国外犯規定”に当てはまる重大犯罪は日本の法律で処罰される
少し話がそれるが、海外にいても日本の刑法で処罰されることはある。
これは”国外犯規定”と呼ばれるもので日本人が外国で犯した犯罪のこと。
法律がないような国に行ったとしても日本人として最低限守らなくてはならないルールのようなものだ。
たとえば海外で殺人が合法だとしても(そんな国はおそらくないが)日本の刑法で処罰される。
他には、強制わいせつ・横領・盗品受け取り・放火・誘拐など重大犯罪がこれらにあたる。
なので、その国で合法なら日本では処罰されないというのは必ずしも正しくない。
しかしFX(外国為替証拠金取引)に関しては、国外犯規定にないので日本の法律は適用されない。
ただし海外FXブローカー側の日本人勧誘行為は法律違反
しかし『海外FX業者側』が日本の法律違反になる可能性はある。
それが、海外業者が日本人トレーダー向けに日本国内で勧誘行為をした場合だ。
以下は金融庁のHPから引用したものだ。
登録を受けない外国証券業者であっても、その取引相手が証券会社やその他金融機関等の場合、もしくは証券業者が「勧誘」及び「勧誘に類する行為」をすることなく国内居住者から注文を受ける場合は、国内居住者との取引をすることができます。
ここでいう勧誘行為とは『明らかに国内移住者向けに日本語表記にて日本の広告媒体に出稿する』行為のこと。
例えばXMが日本国内のテレビCMにガンガン流したり、雑誌の広告枠を買って、XMを宣伝したりすると法律違反となる。
日本人トレーダーに海外FX業者自らが宣伝するのは法律的にNGなのだ。
ただし、海外FXブローカー側もこの辺は熟知しているため、直接そのような勧誘行為を行うことはほとんどない。
海外FX業者の日本語のホームページは、勧誘行為にあたらないのか?
海外FX業者のHPは国内移住者向けのものでなく、日本人で海外に移住している人向けのページとして作られている。
各海外FX業者のホームページには、その旨が明記してあるので確認してみてほしい。
XMの場合
XMTradingはJFSA(日本金融庁)の監視下にないため、金融商品提供や金融サービスへの勧誘と考えられる業務には携わっておらず、本ウェブサイトは日本居住者を対象としたものではありません。
引用:https://www.xmtrading.com/jp/
TitanFXの場合
本Webサイト掲載の金融商品開示文書(PDS)を含め、全ての情報は、米国在住のお客様、およびFX取引やCFD 取引(両方またはどちらか)が国内法・規定により制限または禁止された地域に在住のお客様を対象としたものではございま せん。
iFOREXの場合
iFOREXは日本金融庁に登録のない、海外ブローカーで、本サイト・サービスは主に日本国在住者を対象としておりません。
このように『海外移住の日本人向けにつくられている』と言えばたしかにその用途はある。
金融庁はそれ以上は何も言うことができないのが現状だろう。
どちらにせよ、トレーダー側は自由意思のもと、海外FX業者を利用する分にはなんら違法性がないことは変わりがない。
脱税は法律違反。海外FX取引で得た利益の税金は必ず支払おう
海外FXトレーダー側で気を付けなければいけないのが税金である。
たとえ海外FXトレードで得た利益でも、必ず国に申告し税金を納めなければいけない。
もし脱税が発覚すると、
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 不納付加算税
- 重加算税
といった追徴課税が加算され、結果的に利益の70%を超すとんでもない税金が持っていかれるだけでなく、額が大きければ逮捕となってしまう。
海外FXトレーダーの脱税は悪質性が高いと判断され、国内FXトレーダーよりも締め付けが何倍も厳しい。
税金は必ず支払うようにしよう。
ちなみに確定申告を行わなかった場合のペナルティについては、以下記事で詳しく解説している。
海外FXが違法・危険と言われる3つの理由
海外FXを利用するだけなら違法ではないが、それでも「危険」「法律違反」と言う声は多い。
そこでここからは、その理由を3つ確認していく。
- 出金拒否する業者が存在する
- 粗悪な自動売買のプラットフォームに使われやすい
- 金融ライセンスを持っていない業者も少なくない
出金拒否する業者が存在する
海外FXの中にはトレーダーからの出金申請を拒否する業者も存在しており、危険とされる理由に挙げられている。
一見すると確かに利用をためらってしまいそうだが、実は「出金拒否しそうな業者」は前もって察しがつく。
たとえば「運営会社が公開されていない」「実際に口コミが上がっている」などは特に分かりすい指標となるため、ぜひ参考にしてほしい。
粗悪な自動売買のプラットフォームに使われやすい
海外FXは自動売買ツールのプラットフォームに利用されるケースが多く、詐欺に近いソフトも少なくない。
そんな犯罪に近い行為が業界全体のイメージを悪化させる要因となっていることを考えると、海外FXにとっては迷惑以外の何物でもないだろう。
金融ライセンスを持っていない業者も少なくない
海外FXは金融ライセンスがなくても営業自体は可能だが、事実としてトラブルが多いことは否めない。
「サポートの対応が悪い」「ボーナスの条件が厳しすぎる」といった可愛いものから「出金拒否された」という洒落にならない事例もある。
もちろんライセンス未取得の健全な業者も存在するものの、より安全に投資したいならライセンスを持つところを選んだ方が良い。
海外FXの利用は違法ではないが3つのポイントに注意
海外FXの利用は違法ではないが、以下3つのポイントに注意する必要がある。
- 突然サービスが停止する可能性がある
- 国内業者より倒産リスクする確率は高い
- ほとんどの海外FXは信託保全なし
それぞれ詳しく確認していこう。
突然サービスが停止する可能性がある
海外FXを利用すること自体は問題ないが、日本人向けにサービスを提供するのは禁じられている。
そのため金融庁から指摘を受ければ、ある日突然閉鎖する可能性もゼロではないのだ。
もっとも、トレーダーの資金までロックされる心配はないだろう。
ただし「いつツールが使えなくなるか分からない」というリスクは念頭に置くべきだ。
国内業者より倒産リスクする確率は高い
結論から言うと海外FXは国内業者に比べて倒産するリスクが高い。
豪華なボーナスキャンペーンやキャッシュバック・追証不要のゼロカットは確かに魅力的だが、いずれも海外FXの経営を圧迫しかねない出費になる。
実際にゼロカットの負担が大きすぎて倒産した業者も存在することから、最大限注意しておいた方が良いだろう。
ほとんどの海外FXは信託保全なし
金融庁へ登録する必要のない海外FXは、ほとんどの場合「信託保全」を行っていない。
すなわち万が一FX会社が倒産すればトレーダーの資金は戻ってこないだろう。
もしどうしても心配な場合は、XMやGEMFOREXのように「分別管理」している業者をメインに探すのがおすすめだ。
海外FXを使っても違法ではない。ただし納税はしっかりしよう
本記事をまとめると以下である。
- 日本人トレーダーが自発的に海外FX口座を開き取引することに違法性はない。
- 海外FXブローカー側が明らかに日本人をターゲットにした広告出稿を行うことは違法。
- 税金は必ず支払わなければいけない。脱税がばれたら最悪逮捕される。
専門家のエビデンスは取っていないため、最終判断は各自でお願いしたい。